成人・小児のアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどをはじめとした様々なアレルギー疾患の治療を行っています。

 

* アトピー性皮膚炎
* 食物アレルギー・口腔アレルギー症候群
* 蕁麻疹、血管性浮腫、自家感作性皮膚炎、接触性皮膚炎、薬物アレルギー
* 昆虫アレルギー、動物アレルギーなど

 

*アレルギー性鼻炎の治療としてスギ・ダニ舌下免疫療法を行っております。

 

**なお、アトピー性皮膚炎に関しましては、2021年にガイドラインが改定となり、新しい治療薬がいろいろ出ておりますので、診察時にご相談くださいませ。

 

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎の定義(概念)

アトピー性皮膚炎は,増悪・寛解を繰り返す,?痒のある湿疹を主病変とする疾患であり,患者の多くはアトピー素因を持つ.

アトピー素因:①家族歴・既往歴(気管支喘息,アレルギー性鼻炎・結膜炎,アトピー性皮膚炎のうちいずれか,あるいは複数の疾患),または② IgE 抗体を産生し易い素因.

 

アトピー性皮膚炎の診断
アトピー性皮膚炎の診断基準

1.そう痒

2.特徴的皮疹と分布 ①皮疹は湿疹病変 ・急性病変:紅斑,湿潤性紅斑,丘疹,漿液性丘疹,鱗屑, 痂皮 ・慢性病変:浸潤性紅斑・苔癬化病変,痒疹,鱗屑,痂皮 ②分布 ・左右対側性 好発部位:前額,眼囲,口囲・口唇,耳介周囲,頸部,四肢 関節部,体幹 ・参考となる年齢による特徴 乳児期:頭,顔にはじまりしばしば体幹,四肢に下降. 幼小児期:頸部,四肢関節部の病変. 思春期・成人期:上半身(頭,頸,胸,背)に皮疹が強い傾向.
3.慢性・反復性経過(しばしば新旧の皮疹が混在する) :乳児では 2 カ月以上,その他では 6 カ月以上を慢性とする.
上記 1,2,および 3 の項目を満たすものを,症状の軽重を 問わずアトピー性皮膚炎と診断する.そのほかは急性あるい は慢性の湿疹とし,年齢や経過を参考にして診断する.

 

* アトピー性皮膚炎の検査

アトピー性皮膚炎の状態を把握する手がかりとして、血液検査を行います。アトピー性皮膚炎に特有の血液検査として、アトピー性皮膚炎の重症度を評価するために、TARCを測定します。特異的IgE抗体検査を行うことにより、ダニやカビ、ペットなど、どのような悪化要因が関わっているかを検討します。健康診断などで実施するような一般的な血液検査も行います。アトピー性皮膚炎に似た皮ふ疾患の場合もあるため、必要に応じて鑑別のために必要な検査を追加します。

注意:ダニやペットなどのアレルゲンでIgE抗体が上がっている(陽性)だからといって必ずしも悪化因子ではありません。血液検査だけで食物を除去することは不適切です。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー

かつては、食物アレルギーがある子がアトピー性皮膚炎を発症すると考えられていました。しかし近年は、湿疹がありバリア機能が低下している皮膚から食物が入り込むことによって、食物アレルギーが発症するという仕組みが分かってきました。湿疹を発症してから速やかに積極的に治療を開始する方が食物アレルギーの発症割合が抑制できることが分かってきました。

アトピー性皮膚炎の悪化要因

アトピー性皮膚炎を悪化させる要因は、1つの要因だけでなく、以下のような様々な要因が重なり合って起こることが多いため、これらの悪化要因の対策を行うことも治療を行う上で大切なことになります。ダニやペットなどのアレルゲンがしっしんの悪化の原因であるかは、これまでの経過などの情報を総合して判断します。 (症状のみ、検査結果のみで判断できません)

* 季節の変化・睡眠不足・生活環境の影響・汗/よごれ・疲労/ストレス・体調などにより影響を受けます

アトピー性皮膚炎の治療の目標

* 症状がない、または、症状がないかあっても軽微
* 日常生活に支障がない
* 薬物療法もあまり必要ない
*

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎治療の重要性

アトピー性皮膚炎の症状である「痒み」によって夜十分に眠れないと、身長の伸びが悪くなったり、学校生活で本来の力を発揮できなくなってしまったりすることがあります。顔に症状がある場合には、白内障や網膜剥離といった眼の合併症のため視力に影響が出ることがあります。ご家族の負担や心労も大変大きいものです。適切な治療を早期に行うことによってこのような影響を防ぐことができます。また、重症アトピー性皮膚炎の赤ちゃんでは、全身状態の悪化や、成長・発達への影響から、治療に緊急性を要することもあります。

アトピー性皮膚炎治療の3本柱

アトピー性皮膚炎の治療は、①スキンケア ②薬物療法 ③悪化要因の対策の3つが治療の基本となり、どれも欠かすことができません。正しい治療を行うことで症状をコントロールして、湿疹などの症状が出ない状態にすることができます。標準的治療の①スキンケア(皮膚の清潔を保ち、うるおいのある状態を保つこと)②薬物治療(皮膚の炎症を抑える治療)③環境整備(環境中の悪化因子をみつけ、可能な限り取り除くこと)の三本柱を中心にした治療により、「寛解導入」を行います。

お肌の炎症をとる抗炎症薬物治療薬は以下の通りです。
<外用薬>

* ステロイド外用薬 (治療の基本となるお薬です)
* タクロリムス水和物軟膏(2歳以上)
* ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬 (2歳以上)

<注射薬>

* ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体 皮下注射
(アトピー性皮膚炎への適応は成人のみ)

湿疹についてはまず「寛解導入」といって湿疹をよくする治療を行います。その後は、湿疹のないすべすべのお肌を維持するために、「寛解維持療法」を行います。寛解維持療法では、保湿剤だけだと湿疹が再燃する場合、プロアクティブ療法(症状が良くなったあとも計画的に抗炎症薬を塗って悪化を防ぐ治療法)により「寛解維持」を行います。薬の使用間隔を患者さんの状態に応じて調整しながら減らすことで、薬の副作用を避けながらこの状態を維持できるようにしていきます。様々なお薬がありますが、ステロイド外用剤が治療の基本となるお薬です。

治療を開始すると、多くの方はすぐに見た目がきれいになります。しかし、目に見えない皮膚の部分も見える湿疹の部位と同じ炎症があることがわかっています。湿疹が見えない部分のところの治療をやめてしまうと、湿疹がまだでてきてしてしまいます。治療のポイントは、抗炎症作用のある薬でしっかりと皮膚の炎症を抑えたあと、すぐに抗炎症治療をやめずに、徐々にお薬をへらしていくことで、炎症を抑えた状態を維持し、見えない部分の炎症もよくしていくこです。

ステロイド外用薬の副作用について

ステロイドを全身投与(内服や注射)で使用した場合は「免疫抑制」、「成長障害」、「糖尿病」などの副作用が出ることがありますが、通常の皮膚科外来では、内服はめったに用いません。

また、ステロイド外用薬の使用で皮膚に色素沈着(黒ずんだ色調になること)が起こるのではないかと心配される方も多いのですが、これは薬剤の副作用ではなく皮膚の炎症が長く続いたことによるもので、時間とともに改善します。

ステロイド外用薬を長期に使用すると皮膚が薄くなったり、多毛や、にきびなどの局所的な副作用が出現したりすることがありますが、薬の使用間隔を患者さんの状態に応じて調整しながら減らすことで、このような副作用を回避します。着実に薬剤を減らしながら湿疹のないお肌を維持できるようにします。